HELLCHILD

HELLCHILD

――早くもその翌年にリリースされた『Wish』は、名匠Billy Andersonとのレコーディングでしたね。かなり殺伐としたムードのダークな作品で、これがラスト・アルバムになってしまいます。リリース直後にTsukasaさんが離脱するわけですが、どういった理由からだったのでしょうか。
鈴木 「最初に辞めるって言い出したのは、僕の方だったんですよ。2000年の夏に1ヶ月半くらい、レコーディングを兼ねてUSツアーに行っていたんですけど、疲れちゃって。色々。『Bareskin』を発展させたものを作りたかったんですけど、考える時間がなくて、正直ちょっと切羽詰ってしまったところもあって。こなすだけで精一杯。もう無理だな、って思ったんですよ。その場では年内まではやろう、っていう話になって、レコーディングとか、ツアーとか、決まっていたスケジュールは全部こなして日本に帰ったら、今度は司が辞めるって言い出して。理由を直接聞かないまま時間が過ぎて、『Wish』の発売記念でQUATTROでやったときに話したんですよ」
Jumbo 「2001年1月のレコ発東名阪だね」
鈴木 「1月だったっけ。2000年の秋くらいかと思ってた。JUDGEMENTと回ったのは覚えてるけど……。司はATOMIC FIREBALLに入るのが決まっていたのかな。話して、もういいや……みたいな気持ちになって……。そこで終わってしまった」

――なんだか寂しいですね……。
鈴木 「うん……。その後に一度だけライヴを一緒にやって。それきりですね」

――その時は雰囲気悪くならなかったんですか?
鈴木 「まあフツーに“おう、久しぶり”みたいな感じ」
Jumbo 「『Wish』の時、英一郎はうるさい音楽自体に疲れちゃってた感じがあったよね。レコーディング中も“疲れた”ばっかり言ってて」
鈴木 「うん……」
Jumbo 「それでHELLCHILDが終わって、こういう、うるさい音楽から少し離れたんだよね」

――うるさい音楽から離れたいというのは、どういう心境から?
鈴木 「他にもっと、自分にできることはないのか?っていう感じでしたね」

HELLCHILD 'Wish', 2000
HELLCHILD ‘Wish’, 2000

――でも、それって、ちょうど司さんが加入した頃の気持ちに似ていますね。
鈴木 「そうなんですよね、今考えると。それでドラムのジュンと一緒に他のバンド(靄々番地)を始めたんですけど、“音が変わっても結局HELLCHILDだね”って2人で話したりしていました。司が歌えば“これがHELLCHILD”って言えるんだろうな、って」

――Murochinさん(室田政孝 / ABNORMALS, BERSERKER, DOOOMBOYS, WRENCH)と一緒にWIGGLEというバンドにも参加されていましたよね。例えばMULTIPLEXがテクノに傾倒していったように、フィールドもまるで違うことに取り組むという意思はなかったのでしょうか。
鈴木 「一時期DECRYPTっていう、ベースの女の子が曲を作っている変拍子のバンドもやっていましたけど、まるきり違う何かをやることは考えなかったんですよね。ちょっと歌を歌ってみて、ダメだこりゃ、って思ったことはありました(笑)」

――長く続けていらっしゃると、そういうこともあるのでしょうね……。Tsukasaさんが加入してからのSWARRRMは観ていらっしゃるんですか?
鈴木 「何回かは観てますよ」

――それを伺って少しほっとしました。
鈴木 「あはは(笑)。バンドとしても何回か一緒にやりましたしね」
Jumbo 「うん、それで良いと思うんですよ。復活したHELLCHILDは新しいメンバーで良い感じだと思うし、SWARRRMは司が入って世界観がまたどえらいことになってるでしょ?TERROR SQUADとのスプリットでアルバムの時からさらに一段上になっていたじゃないですか。2つ良いバンドができたなら、結果としてはそれで良かったんじゃないかな」

HELLCHILD

――そうですね、今はまた、“現在のHELLCHILD”があるわけですもんね。でも、あれからどんなに時間が経っても、鈴木さんのギターの音はちょっと鳴らしただけで鈴木さんだと分かるので、感動しました。
鈴木 「だって、機材ほとんど変わってないですからね(笑)」

――出音を一聴して鈴木さんの音だとわかるというのは、やっぱりすごいなあ、って。
鈴木 「自分ではよくわからないです」
Jumbo 「(笑)。でもまあ、自分の音を持っているのはたしかですよね。機材を持っていかないで、会場にある借り物のMarshallとか使って、コンパクト・エフェクターを2つくらい並べるだけでも、ほぼ同じ音を出しますからね、この人は」

――好きな帯域が決まっているのかもしれないですね。
鈴木 「そうかもしれないです」
Jumbo 「サウンドの核の部分は出来上がっているっていうことですよね」

――ZENI GEVAとの2マンで復活してから、ライヴもいくつかありましたが、いかがですか。おもしろいですか?
鈴木 「名古屋で原爆さん(the 原爆オナニーズ)とか九狼吽とやれたのは良かったなあ。すごくおもしろいライヴになりました」

――最近、いいな、って思えるバンドっていますか?
鈴木 「最近正直、仕事だとかであまりライヴに行けてなくて、そこまで観てないんですよ」
Jumbo 「子育てもあるしね(笑)」
鈴木 「そうなんですよ(笑)。でもやっぱり、よく観る中でおもしろいのはCOFFINSかな。それこそCELTIC FROSTとかの速いパート、彼ら的に速いパートと言うべきかな(笑)、ツ、タ、ツ、タっていう。USじゃないですよね。ヨーロピアンな感じでおもしろい。あとREDSHEERもかっこいいですよね」

――Jumboさんの企画“Indrawn Stage”もまた始められたんですよね。復活初回はCOCOBAT、COFFINS、ミミレミミ、TERROR SQUADという布陣でした。
鈴木 「色んなバンドが観られるっていうのが、懐かしい感じでしたね。“Indrawn Stage”は昔も色々出てくるイベントだったから」
Jumbo 「僕はミミレミミにグラインドサアフのGentarowくんがいるって最近まで知らなかったんですよ。すごくかっこいいと思います」
鈴木 「あとは、長く続けているバンドの良さも実感しましたね。TERROR SQUADは僕が観た中で一番良かったし、COCOBATも安定感あったし」
Jumbo 「COCOBATは本当、どうなろうと絶対に解散せずにやり続けている坂本(猛)くんの意志は尊敬に値しますね」

――HELLCHILDだって、今またスタートしているというのはすごいことだと思います。Ritual Recordsもそうです。今後のリリース計画は決まっているんですか?
Jumbo 「特に考えてはいないんですけど、また古い音源の再発もおもしろいかな、と思っています。SATANIC HELL SLAUGHTERとか出せたらいいんだけど……。誰も消息を知らない森ちゃん(SATANIC HELL SLAUGHTER, 324)の承諾なしに、それはできないな。SILVERBACKの、今のSLANGのキヨさん(田中清久)も知らないって」
鈴木 「えっ!キヨさんて今SLANGのギターなの?良さそうだな」

――HELLCHILDは音源を作る計画もあるのでしょうか。
鈴木 「曲次第ですね。やり始めたからには、とくかく曲を作っていかないとダメだと思うんで。そこを今一番がんばりたいです」

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Ritual Records | http://ritualrecords.com/
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