Kyoka

Kyoka

――レーベルメイトになった面々の中では、シンパシーを感じる人っていますか?結構みんなKyokaさんとは音が違うと思うんですけど。
 「シンパシーというか、人間的にも音的にもフランクはずば抜けて親友!色んな話をしますが、理にかなう話ができる。あと、先日ベルリンの“Transmediale”のライヴで一緒だったMark Fellがすごく良くて。最近はMark Fellばかり聴いてますね、レーベルの人だと。Mika Vainio(PAN SONIC)は剥き出しのケーブルを触ったりしながらライヴをやるんですけど、あれはすごいシンパシー感じます。彼のライヴを観ると対抗意識が燃える(笑)。あと、今回Atom™がリミックスをしてくれてるんですけど、彼にリミックスを頼んだ理由をCarstenは“Kyokaとユーモアの方向性が似ている気がするから”って言ってるんです。Atom™もキッチィな時とストイックな時とあるから、分かる気もします」

――このリミックスの仕上がりはどう思われているんですか?
 「なんかノリノリで新しかったです。わたしの音源の素材でもこうなるんだって思いました(笑)。びっくりした」

――その原曲「HADue」は、Raster-Notonリリースのきっかけのひとつになった「pc125bpm」とすごく連続性を感じたんです。意識して作られたところはあるんでしょうか。
 「意識はしてないです。そういう部分に関してわたし自身は客観的じゃなくて。わたしがランダムに作ったものを、周りの人がわたしの抽出部分を選んでくれるんです。そういうところはありがたく参考にさせていただいてます」

――どちらもハンマービート色ありますし、Raster-Notonはそこに反応したのかもしれないですね。ドイツ人好みだったというか(笑)。
 「そうなんですかね?FlankがCarstenとOlafにわたしのことを初めて紹介してくれた時、音がダイレクト、ダイレクトって言ってたんですよね(笑)。そうなのかな?って思ったけど、直球も悪くない響きだなって」

Kyoka
photo ©Sylvia Steinhäuser

――直球、かっこいいですね(笑)。あと、エディットの幅が大きくなった気がするんですよね。ロックっぽく言えばリフがビッグになったっていうか。そこもダイレクトかつ洗練された印象に繋がってるのかなって思います。
 「そういえばそうですね……」

――洗練されても、引き続きワイルドさを感じさせるところもおもしろいです。
 「さすがFrankプロデュースですよね(笑)」

――Frankさんとの作業は、みっちりやったんですか?
 「すごかったですよ。やってよかったです。わたし今までずっと1人で独学でやっていて、誰かに何かを習うってことが一切なくて。でも毎回自分なりに宿題を見つけて曲を作ってきたんです。だからちょっと煮詰まってたんですね。でもFrankとの作業で、これからもやることがいっぱいあるなって気付くことができて」

――具体的にどんな作業だったんでしょう。
 「パソコンの埃を取ったり、ハードディスクの要領を空けたり(笑)。パソコンの周りが散らかってるだけで怒られるんですよ(笑)。“君の人生を支える大事な物に、何で埃を付けるんだ”って(笑)」

――几帳面そうな方ですもんね(笑)
 「そうそう(笑)。実際は色々と細かいところをいじったりはしていたんですけど、この作業でそんなに変わらないだろ、くらいに思ってたんです。でも仕上がりを聴いたら格段に良くなっていて。Frankが埃を“フッ”てしただけなのに(笑)。見てない時に何かやった?って聞いたら“何もしてない”って。マジック(笑)?」

――その“埃取りマジック”みたいなお話って、すごくアナクロっていうか、アナログじゃないですか。そういうところもKyokaさんの作風と繋がってる感じがします。
 「ああ~。アナログですよね、わたし」

Kyoka
photo ©Sylvia Steinhäuser

――棚のコーナー的にはエレクトロニック・ミュージックだけど、あまりそういう雰囲気がないっていうか。
 「そうですね、自分でもそう思います。多分、パソコンを使っているだけで、やってることはアナログなんですよね。元々、音に魅力を感じたのが相当小さい時で。3、4歳の頃に、カセットテープ・レコーダーのヘッドに色んなものをくっつけて遊んていたら、親がテレコを4台も買ってくれて(笑)。それでマルチトラック・レコーディングを始めたんです(笑)。先日agraphくんに“2台でいいじゃん”て指摘されましたけど(笑)。テレコは基本的なわたしのおもちゃです。ちょっとだけズラして再生するとエコーがかかるのを初めて発見したときの感動とか(笑)。その延長で今もやってるから、たぶん波形もテレコと変わらないんですよ」

――ライヴではCHORO CLUBの沢田穰治さんがベースを弾いていらっしゃいますよね。しかもちゃんとアンサンブルを感じるライヴで。そういうところもアナログっぽい印象を強くしていると思います。アンサンブルは意識して作っていらっしゃるんですか?
 「それはたぶん、沢田さんの手腕ですね(笑)。沢田さんの曲に対する理解力ってすごくて」

――沢田さんとはどういう経緯で?
 「いつの間にか知り合いになっていたんです(笑)。東京に居た頃、沢田さんがわたしの家から徒歩5分のところに住んでいたことがあって、よく遊びでセッションをするようになったんですよ。なんとなく三味線をまだ手元に持ってたから、持って遊びに行って、沢田さんのベースやギターとぐるぐる交代して遊んでいて。とりあえず何かできますね、っていうお話をしていたんですけど、それから10年くらい経ってしまって。一緒にリリースしたいってずっと言ってくださってたので、そろそろ何かやりますか、ということで。とりあえず、しばらくはお互いのライヴで、入れられそうなときに入れるという感じで模索中なんです」

――良いコンビですよね。
 「そうですか?よかったです。わたしベースの音が大好きで。ベースの人って注目しちゃうんですよ」

――Mike Watt(THE MINUTEMEN, THE STOOGES)とか。
 「そうそうそう」

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