SURGEON

SURGEON / photo ©Cathrin Queins

――00年代からは、ハードミニマルのイメージを覆すようなアンビエント作品にも取り組まれていますよね。Andrew Readさんとのコラボレーションがきっかけになったのでしょうか。
 「私がある時点でアンビエント(もしくはビートレス)・ミュージックを作り始めたというのはよくある誤解です。テクノ以前に、私が作り始めた音楽はそういう種類のものでした。1997年にTresorからリリースした最初のLP(『Basictonalvocabulary』)にはその気配がありますが、1998年のMOGWAIのリミックス(『Fear Satan』, Eye Q)や、本名名義で1999年にリリースした『Over Napoli』(STOCK, HAUSEN & WALKMANとのスプリット作 / Jockey Slut)ではより明白にわかると思います」

――Readさんとは、かつてBLIMというバンドで共に活動されていたんですよね。恥ずかしながら聴いたことがないのですが、どんなバンドだったのでしょう。また、その頃の活動が現在の創作に影響することはありますか?
 「BLIMはプログレッシヴ・ロックバンドでした。私はエレクトロニック・ノイズ、サウンド・エフェクト、テープ・ループを演奏していたんです」

――『From Farthest Known Objects』では、それまでのSURGEON名義での作品以上にノイジーでありながら、より空間を重視した内容だったと思います。アンビエント作品での成果をSURGEONに持ち込もうとしたのでしょうか。
 「『From Farthest Known Objects』は、通常テクノを作るために使わないような機材を使ってテクノを作るというプロジェクトで、独特の結果を生み出しました。遠い銀河から発せられる音楽に周波数を合わせた無線受信機のような感じがしましたね」

――モジュラー・シンセサイザーの導入は創作に影響していますか?
 「とても楽しかったという意味で、私のプロセスを変えたと思います。“演奏”に立ち返らせてくれましたし、音楽創作に悦びをもたらしてくれました」

――長々と昔のことばかりお聞きして申し訳ありませんでしたが、最新作『Luminosity Device』は過去作品全ての要素が含まれているように聴こえるんです。「死者の書」からインスパイアされた理由も含め、制作にあたって考えていたことを教えてください。
 「『Luminosity Device』はサイケデリックな経験にインスパイアされています。“チベット死者の書”はそのためのガイドブックなのです」

――カヴァー・アートにご自身の写真を使用されているのも象徴的に感じます。初めての顔出しですよね?Fabricのミックスは顔出しでしたが、インクまみれで誰だかわかりませんでしたし……。
 「FabricのCDで使われている写真は私ではありません。誰かは存じ上げないのですが、私には全く似ていないですよ」

――髭はもう生やしていないのですか?Boiler RoomでAfrican ApparelのBURZUMリップオフTシャツを着ていらっしゃったので、“Count Grishnackhみたいな髭”って言われてムカついたのかも……なんて想像していました。どうでもいい話ですいません……。
 「とても多くの人々が私の髭や、着ているTシャツについて語っていますが、それはおかしなことですし、悲しいことでもあります。まるで、彼らがどこに注意を払っているのかを調べるテストのようです。とても安易に、些細なことに関心を持つものなのですね。私はモンティ・パイソンの映画『人生狂騒曲』の一節“People aren’t wearing enough hats(今の帽子じゃダメだ)”にかなりインスパイアされています」

――ごめんなさい……。SURGEONは今後、本名名義と比較して、どのようなプロジェクトになってゆくとお考えですか?
 「SURGEONはテクノのプロジェクトですが、本名名義は常にもっとパーソナルで、あらゆる種類の音楽スタイルからの幅広い影響を取り入れています」

――そういえば、Lady Gagaさんとのコラボレーションには正直びっくりしました。Lady Starlightさんを通じてのお話だったのでしょうか。今後再びコラボレートする可能性はありますか?
 「Lady Starlightと私は、Lady Gagaのコンサート後に会ってアイディアを出し合いました。Lady Gagaとは、いつかまた一緒に仕事ができたら嬉しいです。セクシーでクールですからね!」

――お答えいただいえも差し支えない範囲で、SURGEONならびにその他プロジェクトで制作予定の作品について教えてください。
 「SURGEONでのDJとライヴセットに加え、Lady Starlightとのライヴ、Speedy JとのプロジェクトMULTIPLES、Daniel Beanと組んだTHE TRANSCENDENCE ORCHESTRAでのライヴとスタジオ・プロジェクトを控えています」

SURGEON official site | https://www.dj-surgeon.com/
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