テクノうどん

テクノうどん / ©techno-udon

――でも “朝の部”のスタートが朝7:00からというのも、なかなか大変なんじゃないですか?あえての早いスタートなのでしょうか。
 「テクノうどん第3回目から“朝の部”を始めたんですけど、池尻大橋でラオス料理屋さん(charmant Lao)をやっているCAY前店長の森川(俊二)さんが、“うどん屋といえばやっぱり、朝7:00オープンだよね”とおっしゃって。朝からやるのも良いかな、って思ったんだよな。早い時間だと場所代も良い条件で貸していただけるということもあって(笑)。それに、朝7:00からのイベントっていうのはSpiral始まって以来のことだと思うんですよ。朝早くのイベントって最近は増えたけど、その時はコンビニ並の普及率を誇るラジオ体操くらいのもんだったんだよ。それ以外で考えると、いち早く始めた屋内早朝イベント、っていうことでさ。青山という場所に朝っぱらから人が集まるっていうのは、インパクトがあるじゃないですか」

――そうですね。朝からたくさんお客さんいらしてましたよね。
 「そうなんですよ。“朝の部”は450人くらい。“昼の部”は550人くらい入って、入場規制がかかったYo」

――朝来られていた方々の会話を小耳に挟んだら、“朝活”なんておっしゃってる方もいました。そういう需要を狙う意味もあったんですか?
 「そういうわけでもないんですけど(笑)、“うどん踏んで食べてから会社行く”みたいなツイートはいくつか見かけましたね。そういう感覚でいらっしゃる方も多かったんだと思います。いらっしゃる方の客層が、普段音楽イベントに足を運んでいるような客層と全く違っていて。イベント前の質問事項にお子さん連れの方からメールにて、“スピーカーの音量ってどれくらい出るんですか?”っていう音楽イベントだったら聞かれない質問があったり。普段クラブに行っているような方だったら、たぶんそういう質問は出てこないじゃないですか。あとは、クラブに“独りで行きたいけど恥ずかしくて行けない”っていう人もいらっしゃったみたいだし、“テクノうどん”だと誘いやすいということもあってか、グループでの参加も多かったな。とても勉強になった。そこは、たまたまSNSで “テクノうどん”ていう名前だけで盛り上がっちゃったことも大きかったですね」

テクノうどん / photo ©<a href="https://clinamina.in/" target="_blank" rel="noopener"><span style="color: #ffffff;">clinamina</span></a>

――名前先行型(笑)。
 「そうなんですよ(笑)。有名なDJのプロフィールや前置きの文章よりも、シンプルで、単純である方が伝わりやすいということを学んだな。所謂音楽のイベントだと、何と何が対バンするとか、誰がDJをやるとか、そういうことで足を運ぶ方が多いじゃないですか。それと違ってイベント名のイメージが先行することで多くの方に興味を持っていただけるっていうのは、おもしろいな、と思いました。クラブと違って、ナンパ目的の人とかもいなかったですよね」

――そうですね。素敵な女性はたくさんいらっしゃってましたけどね。
 「そうなんですよ!かわいいお客さんが多くて。そういうのも大事です(笑)。忙し過ぎて、メアド交換できなかった!次回あれば絶対番号聞く!セクキラだからな!」

――(笑)。以前と比較すると、細かいホスピタリティが色々と改善されていましたよね。それはやっぱり、様々なお客さんがいらっしゃるようになったことへの配慮なのでしょうか。例えば2回目の開催では、自分で踏んだうどんを踏んだ本人が食べるのではなく、まとめて製麺してたじゃないですか。現在では、ちゃんと踏んだ本人を札で特定できるシステムになっていますよね。
 「算数塾で開催した第2回“テクノうどん”の時は、所謂家庭用のガスコンロでは茹で時間が間に合わなくなってしまって。あれは完全に僕らのミスでした。自分で踏んだうどんを自分で食べる醍醐味を味わいに来てくださった方はがっかりされたかもしれませんね。あんなにお客さんがいらっしゃるとは正直思っていなかったんですよ。ていうか、いつもありえない出来事に遭遇するので、そこでの現場力というか、優秀なスタッフの機転やメンバーに助られたな。反省会を経て問題点を踏まえ、次からはアメシンくん(手塚新理 / 東京・浅草 飴細工アメシン)が改造して作った番号札付きの網を使って自分で踏んだうどんを食べられるように工夫したり、火力問題を解決して、予備のお湯を別に作るようにしたり。製麺にパスタマシンを使ったのも、麺の太さ6mmだと10分かかるところが、3mmだと5分で茹でられるからなんですよ。早く切れるし。本来はちゃんと包丁で切らなきゃいけないんですけど……。1時間にどれだけの人数に対応できるのか、シミュレートもしました。システムの相談にはすごく時間がかかりましたね。そういうメールのやり取りや電話のやりとりが、1日の1/6を占めていたような。すごく濃密なやり取りがあっという間で……イベントはそれほど煮詰めた確認作業をしないとできないんだよ。今改めて思ったよ」

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――今回はうどんだけでなく、サイドメニューも充実していましたね。進化を感じました。
 「サイドメニューを出したのは、茹でている間の待ち時間に、つまみが食べられるようにしたかったからなんですよ。前回もサイドメニューを出すには出したんですけど、採算度外視で仕入れた高級品だったんで、高くて全然売れなかったんですよね(笑)」

――たしかに、あまり高いと買わないかもしれないですね……。すいません……。
 「そうですね。だからコロッケと焼きおにぎりは良かったですね。けっこう買ってくださっている方も多くて。お店(CAY)の売上にも貢献したかったしな」

――トッピングの海老天なんかもおいしかったですよ。
 「ありがとうございます。よかった。うどんも、どうやって美味くするかを色々考えたんですよ。足踏みうどんのお店に行って研究したり。経費を抑えるために、会社に交渉したり」