24 / 7。俺の人生そのもの
取材・文 | 久保田千史 | 2010年8月
――素晴らしいアルバムが完成しましたね!
「嬉しいよ。俺もこのアルバムのすべてを、かなり気に入ってる。リリースが待ち遠しいな。たくさんのやるべきことやストレスを乗り越えて完成した作品だからね」
――まず、現在のラインナップを教えてください。
「今のTERRORは、俺Scottと、David Wood(b | DOWN TO NOTHING, MURDER WEAPON)、Nick Jett(dr | CARRY ON, DONNYBROOK, PIECE BY PIECE, SNAKE EYES)、Martin Stewart(g | DONNYBROOK, LONE WOLF, PIECE BY PIECE, SNAKE EYES)、それからJordo(Jordan Posner | g | NO WARNING)。ソリッドで最高のラインナップだよ」
――今回Chad Gilbertさんをプロデューサーとして迎えたのにはどんな理由があったのでしょう。彼はこのアルバムにどのような影響を与えましたか?
「彼は友達で、頭の切れる奴だ。最高のソングライターだしね。アルバムをより良くする素晴らしいアイディアを持っているし、すごく良い仕事をしてくれたよ」
――ファンを募ってギャング・コーラスの録音をしたそうですが、どんな感じでしたか?
「あのクールなアイディアはChadが考えたんだ。Chain Reaction(カリフォルニア・アナハイムのライヴ・スペース)に集まってね。みんないい声出して、めちゃめちゃおもしろかったよ。楽しい1日だったし、アルバムの重要な一部分だね」
――TERRORの音楽は、数々のレジェンダリーなハードコア・バンドたちと同じように、シンプルでありながらも一聴してTERRORと分かる特徴がありますよね。曲を作る際、“TERRORはこうでなければならない”というルールはあるのでしょうか。
「ないよ。ただプレイして、俺たちが気に入る感じの曲を作るだけ。ルーツはリスペクトしているけどね。俺たちは計画を立てたり、ミーティングしたりっていうことをしないんだ。バンドのために次にやるべきこと、正しいと感じることを一緒にやるだけ。それぞれが違ったアイディアを持ち寄って、それを混ぜるとTERRORの音楽になるんだ」
――以前よりも1980年代のNYHCやクロスオーヴァー・スラッシュの色が濃くなったように感じました。80sへの憧れってありますか?
「たしかにそうだね。そういうサウンドやスタイルは、間違いなくメイン・ソングライターのNickが持ち込んだものだよ」
――アルバムの6曲目に収録されている「You're Caught」のメロディがTYPE O NEGATIVEの「Unsuccessfully Coping With The Natural Beauty Of Infidelity」に少し似ていたので、4月に亡くなったPeter Steeleへのトリビュートかと思ったのですが、気のせいでしょうか。
「俺自身はTYPE O NEGATIVEやCARNIVORE、Peter Steeleについてあまりよく知らないんだよね。彼は俺たちと同じ地下世界の住人だったから、亡くなったことは残念に思うけど、TERRORは彼や彼の音楽には全く影響を受けていないよ」
――TERRORは様々なスタイルのバンドと共演していますよね。ステージを共にしたバンドでおすすめがあれば教えてください。
「ちょうどFOUNDATION、GRAVEMAKER、NAYSAYERと一緒にツアーしたばかりなんだけど、若いハードコア・バンドはみんな最高。楽しいひとときだったし、常に俺をフレッシュな気分にさせてくれたよ」
――ハードコア以外ではどんな音楽がお好きなんですか?
「COLDPLAY、たくさんのヒップホップ……それからTHE POLICE、Tom Petty、PINK FLOYD、THE CARSとか……いろいろだね」
――本作のタイトルに込められた意味を教えてください。
「シーンを信じている世界中のハードコア・キッズ。ポジティヴなことのために行動して、それを良い状態でキープしている奴。それが“keepers of the faith(信念の守護者)”だよ。R.I.P. Raybeez」
――あなたにとってハードコアとは?
「24 / 7。俺の人生そのもの。俺にとってこれ以上のものはないね。ハードコアは今も生きている」