MCウクダダとMC i know

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――沖縄、好きですか。
i 「好きだよね」
u 「うん、好き~」

――お2人がやっていることは全体的にすごく楽しい感じだけど、曲を聴いてると、ある種の暗さみたいなところも感じるんですよ。リリックのほとんどが願望を歌うものだったりするし。閉塞感から逃れることを望んでいるような。
i 「そういうところに触れちゃいますか……そういうのはありますよ。やっぱり」
u 「あるある」
i 「人は近いが出会いは遠い、とか。例えば、いいな、って思った男性がいても、これは誰々ちゃんの元彼だ、みたいなことが絶対あるんですよ。だから、気さくにチャレンジできないし」
u 「絶対に誰かが見てるっていうか。誰かと絶対に繋がってしまうというのは、善し悪しあると思う」
i 「良くて悪い。“どこの出身?”自分どこどこだよ、“誰々知ってる?”知ってるー!でもう繋がるから」

――所謂ムラ社会みたいな。
i 「そうですそうです」
u 「そういう感情は、“F.O.R”をやっていても感じていて。沖縄って、ファッションがすごく遠いんですよ。例えば好きな雑誌に載っているブランドって、取り扱ってるお店がほとんどないんです。欲しい服は通販だったり、直接東京に行って買うしかなくて。すぐ手軽に買うっていうことができないんですよ。OPAっていうファッションビルも潰れちゃってドンキホーテになったし、ファッションに興味を持つきっかけすらなくなっていく。古着も、沖縄の古着屋さんはすごく素敵だけど、数がどんどん減っていたり。だからファッション盛り上げたくて、おもしろい人を探すにしても、なかなかいないんですよ。音楽でも、同じことが言えると思います」
i 「掴み取るまでのプロセスに力が必要なんですよ。だから、ファッションが好きだったり、音楽が好きだったりする人は、やっぱり上京しがちで。イケてる人はどんどんいなくなる。でもやっぱり、沖縄にいる人にしかできないことがあるから。ないなりに工夫して、流行がないから作ってる感じです。ガラパゴス化だな」
u 「そうそう」
i 「ファッションも音楽も、それぞれの土地に何かあるっていう状況が素敵なんじゃないかな、って思って」
u 「……っていう感じですかね(笑)。この話は終わり終わり(照)!」
i 「(笑)。でも閉塞感は本当に感じてますね。誰かひとりと喧嘩したら、全部がぐちゃぐちゃになっちゃったりとか。そういうのが顕著に出易い気がします。土地柄として。色んな県民はいるっちゃいるんですけど、音楽の現場に来る人って限られてるし」
u 「そう~!顔知ってる人しかいない」

――そっかあ……。でもそこは東京も同じかもしれないです。
i 「ああ……。そうなんですかねえ」
u 「行ったら絶対この人いる、みたいなのは、そうかもしれないですね」
i 「でも逆に、このイベントに行ったらみんなに会える、っていうのはあって」
u 「みんな友達みたいな」
i 「身内感はすごくありますね」

――そのあたりは難しいですよね。どの尺度で計測しても。
i 「ですね」

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――イケてる人たち上京しがちっておっしゃってましたけど、お2人だってイケてますよね。大都市に上京するという行動について、どう考えていらっしゃるんですか?憧れがあったりするのでしょうか。
u 「わたしはちょっと憧れはするけど……」
i 「わたしは全然ないです。東京、大阪に住みたいとか思わない。LCCのおかげもあって沖縄からすぐ行けるし、住むべき場所じゃないっていう感覚があって。旅行が一番いい」
u 「そうだね。本当に近くなったよね。1万円くらいで行けたりするので。便利な世の中になりましたよ!」

――例えばEspeciaとかは、大都市に対する幻想を音楽として具現化しているわけじゃないですか。
i 「そうですよね。アーバン幻想ですよね」

――それを真に受ける人はいないにしても、幻想は幻想として客観視しているということですね。
i 「そうですね。沖縄に対しても同じ現象があるんですよ。わたしたちには日常としての沖縄があって日々暮らしてるけど、旅行で沖縄に来る人は、海に行こうとか、パイナップルパークに行きたいとか、リゾートとしての沖縄を見てる。わたしたちはそういうところにわざわざ行かないですよ。そういうギャップがあって」
u 「ダイビングなんてしたことないし」
i 「そうそう。そもそも海行かないし。ビーチパーティとかマジ行きたくないし」

――ビーチパーティって、やっぱあるんですね。
i 「ありますあります」
u 「ビーパ」

――ビーパって言うんですか。
i 「そう。大学生はめっちゃビーパしますね。“とりあえずビーパっしょ”みたいな。ビーチでBBQするのビーパって言うんですよ」

――それってお2人の反応から察するに、チャラい感じなんですか。
i 「まあ~、浮かれた感じですよね」
u 「羨ましくもある。でもついていけない」
i 「うん。しかも暑いし、日焼けするし。クーラー効いてるところで食おうや、っていう(笑)。なぜわざわざ?」
u 「沖縄にもちゃんと、インドアはいるんですよ」
i 「そうだよね。みんながみんな酒強いわけでもないしね」

――i knowさんは強いですよね(笑)。
i 「(笑)。まあ、そういう意味で、郊外感、アーバン感と同じことは沖縄にも存在してるな、ってめっちゃ思ってて」

――本当そうですね。
i 「深夜のドライブとかがさあ、一番ローカル感あるよね」
u 「うん」
i 「車社会で、みんな車持ってるから」
u 「電車がないから終電もないし」

――そっか!電車ないんですよね。それは文化的な違いが大きい気がしますね。
u 「そうなんですよ!大学生だと、飲み会やるとなったら、みんなバイトしてるから、居酒屋24:00集合とかになるんですよ。でも間に合う人なんていないんです。ウチナータイムだから」
i 「だから結局1:00とかにスタートして」
u 「朝まで飲むみたいな。車で寝て」
i 「(運転)代行で帰るとか。代行の文化が根強いんですよ」

――“そこじゃないどこか”は、イメージが先行しちゃうっていうことですよね。
i 「そうですよ。イメージでしかない」

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――今県内では、どんなアクションをされているのでしょうか。イベントを主催したりということもあるんですか?
u 「わたしは、東京のE.S.Vっていうラップユニットと友達で、彼らが沖縄に来る度に“Endless Summer Vacation”ていうイベントを主催してます」

――出演者としてだけでなく、主催者としてもがんばっていらっしゃったんですね。
u 「でもE.S.Vが来るときだけなので、超不定期なんですけどね。E.S.Vありきのイベント(笑)」

――定期的にとなると?
i 「定期的にやってるのはないよね」
u 「うん……。あとは“Morning On”ていうイベントを“ON”でやっています。朝にDJイベントができたら気持ちいいな、っていう発想で、日曜日の朝7:00から11:00まで、DJと弾き語りとかできる人を呼んで。パン屋さんも出張で来てもらって、朝コーヒー飲みながらパン食べて、DJの音楽聴いて、ライヴ聴いて、みたいな感じのイベントも不定期でやってます」
i 「前回はAlfred Beach Sandalさんが出てて」
u 「ビーサンさん最高!ビーサンさんはよく沖縄に来てくれて、それでまあ、お友達にって言ったらアレですけど(笑)、わたしは仲良しだと思ってる!ENERGISH GOLFさんも来ていた!」

――いい感じの皆さんばかり集まってきますね!
u 「たぶん、周りのみんなが良い人たちだから(笑)」
i 「全然わたしたちの力じゃない、ほんとに」

――そんなことないですよ。ちゃんとしてるし。
i 「嫁入りさんたちにも“ちゃんとしてる”って言われたよね」
u 「言われたね(笑)」
i 「全然ですけど……」

――今後も色んなことが繋がっていきそうな予感しまくりますね。
u 「そうだといいですね。個人的には、自分たちが楽しまなきゃ意味がないと思ってるので、無理してやっても仕方がない。こんな感じのまま、色んなところに行けたらいいな、って思う」
i 「北海道行きたい!」
u 「大阪も行きたい!」
i 「たこ焼き!」
u 「大阪は、かわいいCASIOがいるし、チミドロの(スズキ)ナオさんもいるし、お世話になってる“シカク”っていうお店もあるし」
i 「行きたいとこめっちゃいっぱいある!日本海の魚が食べたい!」
u 「金沢も行ってみたい。今まで色んなご縁があって今回も東京にも来られたので、これからもまた色んなご縁があったらいいな、って思います」

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