ZOMBIE-CHANG / Meirin

ZOMBIE-CHANG / photo ©Chifumi Kubota 久保田千史

――色んな音色で表現できる現在のスタイルはやっぱり、メイリンさんにぴったりなんでしょうね。でも、ギターで作曲するのとは感覚がかなり違いますよね。ざっくり言うと、ギターだとコード感中心、現在の機材であればリズム主体になってくると思うんですけど、その違いに戸惑うことはなかったのでしょうか。
 「違いはあまり感じなかったかもしれないです。わたしは“歌”が先行する人なんで、“フンフン”て独り言みたいに歌ったのをいつも録り溜めてるいるんですよ。ギターの時はそれにコードを付けて組み立ててゆく感じだったので、やり方はそんなに変わっていない気がします」

――気になるメロディが浮かぶと、録っておくんですね。
 「そうですね、どんなにクダらない歌でも(笑)」

――メイリンさんの曲作りは、所謂宅録ですよね。宅録で、女の子で、エレクトロニックだと、ことに日本では、ウィスパーに歌う人が多いじゃないですか。
 「そうですねえ」

――それって、僕の個人的な憶測なんですけど、日本の住宅事情が関係していると思うんですよ。環境への配慮っていうか。
 「ああ!たぶんそうですよね(笑)」

――でも、メイリンさんは声デカいですよね。
 「(笑)」

――録り溜めているフンフンもデカいんですか?
 「デカいです。元々声がデカいんですよ(笑)。でもたしかに、はっきりとは歌いますね。デモの頃はウィスパーで歌ったりもしていたんですけど」

――1stにもそういう曲はありますもんね。
 「はい。でも、それって逃げじゃないか?って思うようになって。自分のキャラクターとも違うし。トラックに馴染み易いじゃないですか、ウィスパーな声って。そりゃそうだろ!みたなことをやったら負けだな、と思って」

――強気ですね。
 「(笑)。日本のメインストリームでやっている人たちはみんな、はっきり歌いますよね。そういう事実を無視してやっていくのは、やっぱり、“逃げ”だと思うんですよ。もっと食って掛かっていきたくて。挑戦するのが好きだから。はっきり歌って、なおかつトラックに馴染む曲を作っていきたいです」

――それは先程おっしゃっていた志とリンクすることなんですよね。
 「そうですね。最初に“あ~、こういう感じね……”って思われて、色んな人に聴かれなくなったら、曲がかわいそうじゃないですか。そこでシャットアウトされちゃうのはすごくもったいないな、と思って」

――たしかに。“歌”において少々エクスペリメンタルだったりすると、そこで聴かなくなっちゃう人も多いですもんね。
 「そうそう。“インディーズの感じね……”とか。あと言語に関してもそうですね。これ言うと怒られちゃうかもしれないけど……ちゃんと英語を喋れる人は別にして、日本のシーンで英語の歌詞を歌うのって、わたしにはよくわからなくて。楽しいかもしれないし、いいんですけど、わたし自身は疑問に感じるから歌詞は日本語にしています。わたしは日本人だし、日本語のほうがいいな、って」

――でもメイリンさんも英語で歌う箇所がたくさんありますよね。かっこいいですよ?
 「それも拘りがあるんですよ(笑)。昔の歌って、サビだけ横文字で歌ったりするじゃないですか。“ベイビー、アイラブユー”みたいに絶対に意味がわかる英語で。そういうのは逆にかっこいいと思うんですよ。昔って、外国の曲を輸入して、日本語に書き換えたりしますよね。それこそ“Pretty Little Baby”が“可愛いベイビー”だったり、わざわざ訳して歌って、日本のシーンに届ける。あれってすごく魅力的だな、って思って。わたしもそういうニュアンスで自分の曲を作りたいんです。ただ自分的にそれがかっこいいと思うだけなんですけど……。だから歌詞カードも、英語の部分は全部カタカナで書いてます。そういう意味を込めて」

――真面目ですね。
 「恥ずかしー(笑)!」

――そもそも英語自体は、メイリンさんにとって馴染みのない言語?喋れない?
 「全っ然喋れないです。英語の曲もたくさん聴くんですけど、急に英語を投げられても、なんのこっちゃ?っていう感じですね(笑)。興味はあるから、もちろん日本語訳を調べたりはするんですけど。だから英語の曲は、サウンドトラックとかで映画のシーンと一緒に好きになることが多いです。“そういう感情なんだな”って、わかり易いから」

――逆に、ご自身の音楽を映像的に捉えているところもあるのでしょうか。
 「あっ!そうですね。作っている時はそんなことないですけど、曲が完成すると“こういうPVを撮りたい”っていう映像が絶対に頭の中にあるんですよ。けっこう細かく。それが再現できるかどうかは別なんですけど……。今回“I Can’t Get To Sleep”のPVを撮ったんですけど、それも曲ができあがった後に脚本ていうか、絵コンテを全部描いて。それが実際に採用されたかどうかは内緒なんですけど……(笑)」

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