MASONNA

MASONNA

――MASONNAとしては、『Shock Rock』以降全くリリースがないですよね。
 「うん、出てない。それには……2つの問題がありますね。1つは、次に作りたい音源があまりなかったんですよね。いつもはほら、次はこういう感じにしたいな、っていうのがあったんですけど。カットアップを細かくしたり、電子音混ぜたり、サイケデリックの要素入れたり、次にやりたいこと、自分の聴きたいものを追求しながらやってたんですけど、ここ『Shock Rock』で原点に戻って、とりあえず完結しちゃってたんかな。音源を作るっていうところでは。ライヴ活動は復活したんですけど、それでやっぱりライヴの方が良いな、って思ったこともあるかな。2つ目は、引っ越したんですよ(笑)。新しく住むことになった所が、1フロアに結構人が住んでたので。全部宅録やったんで、ちょっとこれは初めからキビしいな、とか思って(笑)。前のマンションは全く苦情来なかったんで良かったんですけど。まあキチガイが住んでると思われてるかもしれないですけどね(笑)。そういうのもあったり。でもまあ、新作を作りたい意欲がなくなってたんですよね。その替わりに、バンド活動が始まるんですよね」

――ACID EATERのことですか?
 「うん。本格的にメンバー入れて。ちゃんとした曲で、歌を歌うっていうスタイル。終始ファズギターがビリビリ鳴りまくって、チープなオルガンがガンガン入ってて、っていうのが周りにいなかったんで。ファズ・パンクっていうか」

――頑なにメンバーを拒否していたのに、どうしてそうなったのでしょう(笑)。
 「そう、拒否していたのに(笑)。CHRISTINE 23 ONNAで、サポートメンバーを入れてライヴをやり始めてたんです。その頃はまだ非ロック的な部分はあったんですけど、ライヴをやってるうちに、ライヴ・バンドをまたやりたいって思うようになってきて」

――楽しくなってきたんですか?
 「うん、楽しくなってきた(笑)。戻って来たんですかね、10代の頃に。本当に、完全に常識的なことをやりたかったっていうか。それで、MASONNA、ACID EATERでライヴ活動やって。SPACE MACHINEは3枚出してそこで結構完結しちゃった。ライヴはやっぱり動きがないのはつまらんな、ってなっちゃって」

――では、今はACID EATERメインという感じなんですか?
 「今はやってないです(笑)。メンバーがちょっとバラバラになってしまって、活動ができてない状態ですね。だから今はMASONNAをときどきやるくらいで」

――なるほど。一連の流れが全く違和感なく、すごく自然ですね。
 「うん。自分のやりたいことをやってきてる。昔から、聴きたいから作るっていうのがあるからね。CHRISTINE 23 ONNAみたいに、遊びが形になって、っていうのもあるけど」

――自分の思うものをしっかり具体化できるというのはすごいことですよね。
 「何かひとつ自分にハマると、そこから膨らまして追求できるんで」

Evil Black Disc
MASONNA ‘Evil Black Disc’, 2016 HELLO FROM THE GUTTER * 本インタビューの4年後にリリースされた作品

――次はまたMASONNAの新作を予定されているということで。
 「うん。今年25周年だったんで、絶対出そうと思って。HELLO FROM THE GUTTERっていう信頼できるレーベルから7inchが出したいってオファーが来て、25周年だから25曲入りの7inch作りませんか?っていうアイディアが浮かんで。片面5分以内に12曲、13曲。シンセとかも入ってなくて、『Shock Rock』路線のもっと短い、もっとロウな感じかもしれないですね。ディレイとかは使ってるけど」

――『Shock Rock』で一度こう、完結したじゃないですか。
 「レコーディング的にはねえ」

――次の作品では、音楽というよりもむしろパッケージが“やりたいこと”になったということなのでしょうか。
 「ああ……。うん。初めの頃は、出したことないフォーマットだから出してみたいっていうのもあったんですよね。10inch出したことないから出したいな、とか。5inch出したりね。色々出していって、リリースのワクワク感はちょっと減ったかな。最初はそういう楽しみがあったけど。新作は“7inchアルバム”っていうのはやったことないな、っていうところで」

――『Shock Rock』以降、Alchemyの店舗がなくなってしまったり、音楽を取り巻く環境では色んなことが起こりましたよね。
 「そうなんですよね」

――そんな中でパッケージは縮小傾向にあるわけですが、次のリリースはそういうところに対するアンチテーゼ的な部分もあるのでしょうか。
 「ああ~。何にもないです。全くないですね(笑)。自分の聴きたいものを作っただけで」

――その次はどんな作品が作りたくなるんでしょうね。楽しみですね。
 「うん。何かアイディアが浮かんだら作りたくなると思うんですけど……。ひとつ作りたいと思ってるのは自分オムニバス。自分のやってる色んなユニットを混ぜ混ぜにしたCD。それも、ちょっとミックスとか繋ぎを変えたりして。CHRISTINE 23 ONNAのグルーヴィな感じの途中でMASONNAがウワーっ!て始まったりとか」

――それは良いですねえ。山崎さんの全体像が見える感じで。
 「うん。自分の素材を使って、ミックスCDみたいなものをそのうち1枚作ろうかなあと思ってて」

――なるほど。25年の出来事を振り返っていただいて、お話を伺っていると、すべてがすごく楽しそうに聞こえます。
 「そうですね(笑)」

――でも辛いこともたくさんあったと思います。一番辛かったのはどんな時でしたか?
 「う~ん、どうだろう(笑)。……やっぱり、腰を痛めてライヴができなくなった時は、アレですよねえ。終わる、って思ったのはありますよねえ。シンセ・ユニットがあったから、まだ良かったけど」

――山崎さんは未来を想像するようなことはありますか?例えば30周年の時は何しているだろう?とか。
 「全然考えないですよね(笑)」

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