テクノうどん

テクノうどん / ©techno-udon

――想像以上に大変そうですね。
 「そうなんですよ。簡単そうで複雑っていう(笑)。企画って、誰でもできそうで、できないものなんだよ。自分で体験してみないと分からないし、言葉では説明し辛い。“企画なんか誰でもできる”とか、高を括って見られるのは困るな」

――構図自体はシンプルなんですけどね。
 「そう。やることはシンプルなんですけど、色んな手間も経費もすごくかかる」

――総合的に考えると、なんだかんだで音楽イベントよりも格段に費用がかかりそうですね。
 「倍以上かかりますね。会場になったCAYさんのご厚意ですごく良い条件でやらせていただけたんですけど、それがなかったら、難しかったです。気持ちや熱意で参加してくださった方々に、感謝」

――上がりはちゃんと出たんですよね。
 「やっぱり物販での売り上げが大きくて。TシャツはBEAMSさんとのコラボレートで作っていただけたのが良かったですね。本当はアパレルさんとコラボレートで靴下も作りたかったんですよ」

――うどん踏む用の(笑)?
 「そうです。うどん踏む用の。かわいい靴下ができたら、かわいい女の子が来るかもしれないじゃないですか。やっぱり、テクノうどんにはかわいい子が来てほしい(笑)!」

テクノうどん / photo ©clinamina

――そうですか(笑)。1,000人近くのお客さんがいらっしゃると、客層が多様化してイベントが活性化する反面、運営する側としては色々と難しい局面も迎えるのではないでしょうか。
 「そうですね。1,000人規模になって、良いこと悪いことも含めて今まで目にすることのなかった景色を見ることができました。その景色を見たからこそ、もっと勉強して、まだまだ揉まれなければならないと自負してる。第4回“テクノうどん”では、当日の仕切り、タイムキーパーと経理はアメシン君、ホームページやデザインは駒ヶ嶺(亮一)さん、出演者の交渉と広報その他は僕という形で、それぞれ特技を活かして進行できたので、上手くいったと思います。課題はたくさんありますけどね。例えば、来場者が多ければ多いほど、縛りや決まり事を作っても、埒が明かない。今回で言えば、イベント2日前に当日の注意事項を前売予約してくださった方全員に送って、撮影はOKだけどアップロードはNGにしたんですよ。禁止事項って、音楽のライヴ・イベントや演劇だったらわりと守られると思うんですけど、うどんだとなかなか難しい。“テクノうどん”なんて珍しいから、撮って公開したいっていうのはよくわかるんですけど。実際かなりSNSで写真や動画が拡散されていて、複雑な心境」

――アップロード禁止にしたのにはどういう意図があって?
 「オフィシャルで入ってもらったカメラマンに還元したかったというのがひとつありますね。記録はちゃんとしたカメラと撮影者でちゃんと残したいっていう。でも今は携帯で簡単に撮れるし、楽しいから、禁止が難しいっていうのはわかってるんですけど。話題が拡がってくれるのは嬉しいんですけど、“その場に来たからこそ楽しめるもの”っていう要素も重視していたから、情報を公開され過ぎるのも微妙なんですよ。謎な部分が残ってるほうがおもしろい。仕方ないことですけどね」

――有名税っていうことですかね(笑)。
 「そうですね(笑)」

テクノうどん / photo ©clinamina

――客層の多様化を踏まえて何か留意した点はありますか?
 「まず会場かな。当初は、青山ということもあってピテカン(東京・原宿 Pithecanthropus Erectus / 1984年閉店)の跡地(現メキシコ料理店)も検討していたんですけど、青山のおしゃれな感じに合う会場の雰囲気とか、よくわからない組み合わせなんかを吟味して、あの形になったんだな。あと今回は、サブカル臭をできるだけなくすようにしたね。僕個人としては、そこにかなり拘りを持っていて」

――幅広い層にアピールしたいということ?
 「はい、それとクリアな感じにしたくて。やっぱり、今回DJで参加してくださった大度さん(真鍋大度 / Rhizomatiks)みたいに、マニアックなことも、プロフェッショナルなことも両方できる人に憧れるんですよ。どんな状況でも、色んな立ち位置から物事を進められる人というか。大度さんはNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』みたいな面で見られる割合が大部分だと思うんですけど、そのほかのみえないところでの動き方や、DJも昔からやっていて、音楽への情熱も人一倍強かったりするじゃないですか。そういうところがかっこいいんですよね」

――そうですね。それは天才算数塾の見られ方を意識していて、そのイメージを排除したところで何かやってみたかった、ということですか?
 「テクノうどんに関して言えば、そうですね。できるだけ見えないようにはしたかった。算数塾の企画は算数塾の企画でちゃんとやるんですけど、僕はサブカルチャーに興味があるわけでもないし。本当のサブカルチャーは好きなんですけど、とにかく中途半端なのは大嫌い」